田舎の実家に里帰りをしたときに、
祖父母が亡くなった後、実家を相続した
母親から「実家の片付けをしたい」と
相談されました。
自然災害が多発している昨今、
築40年以上になる古い実家での
一人暮らしが、将来のことを
考えるととても不安になった
ようです。
また、自分の頭も体もしっかり
しているうちに何とかしたい、
という決意を固めたとのことでした。
女手一つで私を育ててくれた母。
めったなことでは困っているなどと
口にしない人なので、これは大変な
ことだと思いました。
いわゆる「生前整理」というものです。
この記事では、自分の実家の実例を
紹介します。
ちなみに、年齢は母60代後半、
子40代前半(一人っ子)です。
田舎の実家の片付けは何から始める? 話し合いで整理の手順を決める
片付けの前に、親子のこんな
やりとりがありました。
”最後に確認するけど、この家に
帰ってくるつもりはないのね?”
”田舎すぎて帰りたくない。
家も土地もいらない。”
”リフォームとか他人に貸すとか
考えたけど、あなたが帰って
こないなら、最後は土地と家は
売ることになるわね。”
”だから片付けなんだ・・・。
生前整理っていうやつ。”
”私がしっかりしてるうちに
片付けないと、どうにもならなく
なるでしょう?”
そんなこんなで、まずは親子の
話し合いからスタートして
整理の順番を決めました。
①自分が実家に送りつけていた
私物を整理して、必要のないものは
段ボールに小分けにする。
②段ボールを空いている1部屋に
入れる。
③母の持ち物を整理する。生活に
必要な物、当面は使わない物、
不要な物を分けて、不要な物を
段ボールに小分けにする。
④段ボールを②の空いている
部屋へ入れる。
⑤空き部屋に段ボールがたまったら、
廃品回収業者に電話して不要品の
入った段ボールを引き取ってもらう。
まずはここまでです。
祖父母の物は後回しにして、
自分たちでできることから
やることにしました。
また、「片付け」とは「捨てる」
ところまでを言います。
最初から片付けを考えていると、
時間がかかって作業が進みません。
自分たちは整理の作業に専念して、
片付けの部分は専門業者に頼む
ことにしました。
田舎の実家の片付けは、自分のものから整理を開始 思い出がよみがえり、作業が進まない・・・
まずは、自分の私物から整理です。
とりあえず、1人で作業ができそう
でしたので、母には自分のことを
並行して進めてもらうことに
しました。
土日に帰省して、2回ほどで
終了しましたが・・・
(というか、終わらせた)
仕事で使いそうな専門書以外、
99%がいらないモノでした!
いらないモノのほとんどが、
小・中学校時代に買ってもらった
歴史の「学習マンガ」や、大学生
時代に古本屋で買ったマンガでした。
学習マンガは自分よりも、
祖父が虫眼鏡を使って、
一生懸命読んでいたことを
思い出しました。
大学生の時は、大学の近くの
アパートに住んでいたので、
授業の合間に友人が訪ねてきて、
さながら「マンガ喫茶」のように
なっていました。
今ならネットカフェでしょうか?
思い出にふけり始めると、
手が止まってしまい、作業が
進みませんでした。
また、子供のときにもらった
賞状とか、自分ではあまり必要と
思わなかったのですが、母に
「捨てないで」と言われて、
残した物もありました。
母親にとっては、子供の
成長記録のようなものは
捨てられないようですね。
まだまだ田舎の実家の片付けは終わらない 母が疲れてしまった
自分の不要なマンガは、車で
古本屋に持ち込み、買い取りを
お願いしました。
多少の現金が手に入りましたので、
母に渡して整理の費用の足しに
してもらいました。
母の持ち物の整理は、ほとんど
母1人にまかせきりでしたので
丸1年かかりました。
①普段、使わないもの
②季節用品で、1年間使わなかったもの
③1年間通して使う日用品で不要だったもの
④台所用品で不要だったもの
の順番で整理をしました。
いらない物が入った段ボールを
業者に引き取ってもらってきれいに
空っぽになった部屋を見て、いよいよ
本番か、と思いましたが・・・
”ごめん。疲れた。少しずつ進めるわ。”
なんと、母が疲れてしまいました。
ここまで長い道のりでしたが、
まだ半分も片付いていません。
家の中だけではなく、外の倉庫
にも祖父母の物がぎっしりと
つまっています。
”おじいちゃんとおばあちゃんが
生きてる間はね、片付けなんて
できなかったのよ。”
戦前戦後の物の無い時代を
生きてきた人は、とにかく
物を大切にして、いつか
使えるからと、使わない物
までため込んでしまいます。
母も祖母の生前、祖母がしまっていた
ボロきれのような服を捨てようとして、
死ぬほど怒られたそうです。
ここで、整理は一時中断です。
母の健康が第一です。
倒れたら大変です。
とにかく、
”しばらく片付けはいいから
ゆっくり休んでね。”
と伝えました。
結局、祖父母のものが片付いたのは、
これから5年くらい後のことですが、
その様子は別の記事で書くことに
したいと思います。
まとめ 田舎の実家の片付けは、あせらずに進めよう 生前整理は長期戦で
田舎の実家の片付けについて、
私のケースを紹介しました。
実家の母から片付けの話が
出たのは幸運でしたが、
私は田舎の実家を母から
相続しても住まないこと、
何もしないといずれ空き家に
なってしまうことを以前から、
何度も話してきました。
強がってはいても、年老いた親は
何かしら不安を抱えて生きている
のだと思います。
ですので、親が不機嫌になったと
しても、何度でもじっくりと実家の
将来について、話し合うことが
大切です。
その後で、親が実家の片付けに
ついて、前向きになってくれたら、
その機会を逃さずに
親と話し合って、片付けの
方針を決めるようにします。
また、作業をするときには、
”最初から片付けようとせずに、
必要な物といらない物の整理
(仕分け)をする”
”まずは自分のものから
整理をする”
”作業は親のペースで進める”
この3つが大切です。
実際、整理をするだけでも、
ものすごく時間がかかります。
最初から「よし、片付けるぞ!」
と気合いを入れすぎると
途中で力尽きてしまいます。
また、実家に不要品を送りつけて
いた、私のような方は「自分のもの」
から手をつけるようにします。
自分のものを放置して、親に片付けろ
と言うのは全く説得力がありません。
自分から片付けを始めれば、親が
あなたがやるなら、私も・・・
と考えてくれるきっかけにもなります。
そして、作業は親の考えを尊重して、
親のペースで進めるようにします。
あくまでも「親が主役」です。
子の立場としては1日も早く、
片付くことが理想ですが、
親をせかしてしまい、
”じゃあ、あなたがやったら
いいじゃない!”
と怒らせたり、やる気を失わせて
しまうと、そこで「試合終了」と
なってしまいます。
最後に、片付けの段階は
「プロにまかせる」
ようにします。
いらないモノは、まとめて
専門業者に引き取ってもらいます。
自分でゴミとして出そうとすると、
「燃えるもの」「燃えないもの」
など、さらに仕分けに時間が
かかってしまいます。
加えて、家庭ゴミは一度に
大量に出すことができません。
お金はかかりますが、「手間と時間を
お金で買う」と割り切って、業者に
お願いする方が楽です。
田舎の実家の片付けは、親が
その気になってくれないと、
何も始まりません。
親が元気なうちに、田舎の
実家の片付けについて、
話し合ってみては
いかがでしょうか?